2013年9月12日木曜日

高橋茂さんの本、2冊(前編)


この名前に反応する人は、恐らくよほどのネット選挙通に違いない。
もしくは、熱狂的な「カツヤさん」のファンかも知れない。

いつも購読しているコラムニスト・勝谷誠彦さんの有料メールマガジン
「勝谷誠彦のxxな日々。」、そのバックヤードを支えているのが世論社・代表取締役の
高橋茂さん。つい最近、ネット選挙にまつわる本を上梓されたとメールマガジンの
付録「週間迂闊屋」で知り、興味の赴くままにAmazonで注文してみた。



『マスコミが伝えないネット選挙の真相』
http://www.amazon.co.jp/dp/4575154172

私自身は別にその世界で碌を食んでいるわけでもなく、何人かの選挙を
IT面で支えたといっても下手の横好きというか、成り行きで助っ人をしてきたに
すぎない。
同じ高橋でも氏に比べたらそれこそ足許にも及ばないのだけれども、
それでもネット選挙というかネットポリティクス、いやインターネットの
可能性を感じて様々な試みをしているという点では、接点が無いながらも
尊敬する先達である。
私の何歩も先を進んでおられる方なので、とても興味深く読ませて頂いた。

実際に動いている人の記録と言うのは案の定面白く、これまでのネット選挙関連の
書籍の中では最もエキサイティングな一冊だった。
方法論や技術論に留まらず、信念というか核心というか。
「そうそう、そうなんですよ」ページを捲りながら何度頷いたかわからない。

アマゾンのレビューにも、以下のような感想を綴った。

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選挙を知っていてもネットの事は詳しくない、ITに長けていても選挙戦の機微はわからない。
有権者や第三者で理屈を並べても、内側は垣間見えない。そういう本が溢れる中、
本当に「やっている」人の論考は、本質論としてもテクニックとしても満足できる。
「そうそう、そうなのよ」「本当に分かっていないと書けないよね」
膝を叩きながら、あっという間の221ページだった。
本書の4ページ目に書かれた一節が、何よりも秀逸だった。
発行間もないので、著作権を侵さない事を願いつつ敬意を込めてそこだけ引用したい。
「あなたたちが、今までどんなことをやってきて、ふだん何をやっていて、これからの日本をどうしたいのか。
それが知りたいんだけど。選挙期間中はそれを伝えてくれればいい。インターネットはそのためにある。」

行き着くところは、畢竟そこなのだろう。

~~~

私などは各分野のエキスパートでもないし、せいぜい「何人か手掛けた事がある」
程度に過ぎない。
それでも、かじったからこそ前述の数行に込められた意味の大きさが解る。
本当に、それしかないのだ。
除隊の置き土産がわりにこしらえた「四方、波高し」も、それをまとめた時は
意識しなかったのだが、改めて読み直すと氏の提唱するエッセンスそのものだった。

所詮、本人の中身や人となりに勝るネット戦術などは存在しない。
なので私が政治家の先生方や候補者の方にアドバイス差し上げる際には
いかにして本気度合や真摯さ、情熱を表に出すか、その点に重きを置いている。

残念ながら、それを体現していると感じさせてくれた候補はだれだけいただろう。
高橋茂さんの最新刊を読み終えて、そんな事を思い出した。

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